【棒銀一筋】加藤一二三の魅力【神武以来の天才】

[最終更新日:2004年8月30日]

宗教と人生

488 名前:名無し名人 投稿日:04/05/07 22:44 ID:7lBVjmHu
古いビデオみてたら、昔録画した123先生のトーク番組が出てきた。
吉川アナが聴き手のNHKの「宗教と人生」。
非常に興味深く面白かった。また123先生がますます好きになった。
なぜ異常な長考するのか、なぜクリスチャンになったのか、
なぜ駒をたたきつけるほど強く指すのか、引退は考えていないのか、
など様々な疑問が解けた。123先生の人生観などもわかってきた。

興味ある人いたら内容レスするね。
493 名前:488 投稿日:04/05/08 01:28 ID:gzgDKHYp
まずなぜ長考するようになったか。

きっかけは、やはり大山・升田の壁。2人にはしっかり考えて
指さないと勝てないと悟ったから。
また123先生の最高長考時間は7時間だが、
その将棋は6時間59分長考したのち7時間目に
気づいた妙手で、その手で十段位を獲得した。
それで将棋というものは、奥が深く考えれば考えるほど
いい手が浮かぶものと思うようになる。

ただ名人位獲得の第10局の前にたまたま開いた聖書の次の言葉が、
神からの言葉と思えて、この大長考がなくなった。
「敵と戦う前には、・・・慌てないで落ち着いて戦え(モーゼ)」。
この言葉から、秒読みになると慌てるし落ち着きがなくなるから
これではいけないと感じ取り、大長考をやめた。
498 名前:488 投稿日:04/05/08 20:12 ID:gzgDKHYp
昭和57年7月31日の中原との名人戦第10局は、
123先生にとって忘れられない名局中の名局だ。
終盤で、絶体絶命の局面となった。
50手ほど読むが負けになっている。
もはやこれまで、万事休す、また出直しと、
形づくりのつもりで指し手を進めた。
しかしその時、32金という大妙手を発見。
思わず「あ、そうか!」と叫ぶ。
中原玉は詰み、名人位を獲得した。
123先生は、その棋譜を大きな対局前に今でもよく並べる。
その時の感覚や感動を取り戻すために。
123先生にとって、名局の棋譜は芸術である。
名局を並べると深い感動を感じ、きっとそれは他の人にも
同じような感動を与えられるだろうと思えるからだ。
そして神様の力も棋譜の中に存在する。
500 名前:488 投稿日:04/05/08 22:17 ID:gzgDKHYp
から打ちも含めて、なぜ駒が割れるほどビシッと指すのか。

123先生は、将棋は全力投球、何が何でも絶対に勝つ、
という意気込みで常に将棋盤に向かっている。
そのために最善手を模索し決断するわけであるが、
その際、迷いやためらいがあってはよい結果はでない。
指す時には、自分の決断に自信と確信を持って指すべきである。
したがって、あのように力をこめてビシッと指す。
501 名前:488 投稿日:04/05/08 22:25 ID:gzgDKHYp
123先生は、20歳で結婚し4人の子供がいるが、
みなキリスト教の洗礼を受けている。
そして家族ともども社会の何らかの役に立てるよう
努力されておられるとのこと。
20年間123先生は、教会で結婚式をあげる人のために
聖書や結婚生活についての話を行っている。

みなも頼めば、してもらえるかもね。
506 名前:488 投稿日:04/05/08 23:24 ID:gzgDKHYp
キリスト教の話。

神武以来の天才と言われる123先生のこと、
ほとんどの局面で一瞬にして最善手がわかる。
しかし5%ぐらいにおいて、幾ら考えても分からない局面が出てくる。
これは、もはや人智を超えた神の領域に思えた。
そこで、この神の領域において、信仰により少しでも神の助けが
得られればと、キリスト教に傾倒するようになる。
他の宗教でなくキリスト教だったのは、
123先生は若いころから音楽や絵画をたしなんでいて、
特にモーツアルトやミケランジェロなどを好み、
キリスト教の宗教音楽や宗教画になじみがあったから。
507 名前:488 投稿日:04/05/08 23:29 ID:gzgDKHYp
実際に神の助けを実感できる出来事があった。
昭和43年大山との十段戦第6局、
百数十局大山と戦ってきて、初めての逆転勝ちした。
その日はちょうど妻と子供が洗礼を受ける日であった。
またその十段戦で、123先生は初めて十段位を獲得した。
509 名前:488 投稿日:04/05/08 23:37 ID:gzgDKHYp
名局の棋譜には、神様の助けが入っている。
つまり神様の力が入っている芸術作品である。
だからそのような棋譜には深みがあり、
人に感動を与えることもできる。

123先生は、将棋を「芸術」ととらえているようだ。
510 名前:488 投稿日:04/05/08 23:47 ID:gzgDKHYp
若い世代と戦うことについて。

こういう世界は、若い者が活躍して当たり前である。
かつて自分も通って来た道であるし、
何ら若者に気後れすることはない。
若い世代といえば共同研究とパソコンだが、
正直その研究もたいしたことないと思う事がよくある。

123先生は、神の助けを得て人智の及ばない部分で
勝負できると思っているのかな。

また若い世代に宗教的な興味をもってほしいと言っている。
それにより精神的に深みが増し、
それが将棋にも反映して、より光り輝く棋譜ができるとの事。
559 名前:488 投稿日:04/05/10 23:54 ID:T+Q1z7p5
引退について(61歳A級にいたときのインタビュー)

今でも、十分濃い内容の将棋がさせている。
健康面での問題さえなければ、
今後もまだまだ名局と言われる棋譜を残すことができると思う。
引退などかけらも考えていない。
今引退してしまったら、まだ将棋の事が7割ぐらいしか
分からないまま引退してしまうことになる。
50や55ぐらいで引退してしまったりしたら(米長の事か?)、
将棋のことをまだあまりよく分からずに引退してしまうことになってしまう。
560 名前:488 投稿日:04/05/10 23:59 ID:T+Q1z7p5
羽生について

後輩だが、将棋に関しては同格あるいは先に行っている感じがし、
自分がこれから追いかけていくという気持ちを持っている。
ダイナミックで豪華絢爛、非常に見応えのある将棋。
また勝負強く、絶妙のプロセスで逆転する。
まさに「絶品」の将棋。
561 名前:488 投稿日:04/05/11 00:04 ID:tPT2jLge
優勢な局面で

有力な手が2つ以上あるとき、どちらでも勝てそうと思うのは、
落とし穴、ワナである。
緩く安全な手を選んだりすると、相手が息を吹き返してきて、
逆転されることになったりする。
そういう局面でも、勝てる手は1手しかないと考えなくてはいけない。
562 名前:488 投稿日:04/05/11 00:25 ID:tPT2jLge
インタビュー内容は、まあそんなとこです。

ちょっと自信過剰じゃないかなとも思ったりもしましたが、
溌剌で自信満々、まだまだタイトルでも取ろうかという勢いの元気さでした。
一言でいうなら、123先生は「純粋」な方だと思います。