【棒銀一筋】加藤一二三の魅力【神武以来の天才】

[最終更新日:2008年5月6日]

新聞雑誌等5

903 名前:名無し名人 :2007/06/04(月) 17:04:22 ID:pp574dtV
マルチになってしまうが、やはりこのスレに書くのが本筋だった。
今週号の「SHOGIメールマガジン」の 前書きが面白かったので以下に紹介。

以下、引用はじまり・・・

―――――――――――――――――――――――――――――[前書]―
◆加藤九段の集中力                  DS担当 山田
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 前回、加藤九段がサインをしてくれた時の事を書きましたが、今回はそ
の後のちょっとしたエピソード。

 「エッ、エッ、どうも、どうも。」
歯切れ良い声と共に販売部を後にした加藤九段。
私も餅つきを彷彿させる本の受け渡し作業が終わったので、パソコンに
向かって通常業務再開。画面に集中してキーボードを叩き続けます。

 暫くした後、何気なくレジカウンターに目をやるとそこには加藤九段の
姿が…。どうやらレジ横に平積みされた「近代将棋」を立ち読みしている
ようだ。一瞬『おー』と思ったもののすぐに視線はパソコンに戻ります。

つづく・・・

904 名前:名無し名人 :2007/06/04(月) 17:06:03 ID:pp574dtV

以下、つづき。
 
 5分後。レジを見るとそこには同じ光景が…。
 『随分長く立ち読みしているなぁ』気になり始めました。
 パソコンに注がれた視線を加藤九段に切り替え様子を窺ってみます。二
の腕に傘をぶら下げ、目を大きく見開き、口は真一文字に結んで難しい表
情を浮かべています。そして手にした「近代将棋」はバラバラめくるので
はなく、あるページを熱心に読んでいる事が判明。
 そうすると何の記事を一心不乱に読んでいるかを知りたくなりました。
私は席を立ちレジの横を通り抜け、さり気なく加藤九段の後ろに回り込む。
そして気付かれないように「そぉっと」覗いた。

 なんと!そのページは「新手物語」。加藤九段の自戦記ではありません
か!
 自分で書いた原稿を熱心に立ち読みしていたとは全く予想していません
でした。同じ文章でも原稿用紙に書いたものと本の活字では違った印象を
受ける場合があります。しかし、目の前にいる加藤九段の立ち読み姿は自
分の原稿を一寸確認するといった雰囲気ではなく、将棋盤に向かっている
時の真剣さが溢れ出ています。これ程までに気合いの入った立ち読みはあ
まり見たことはありません。
 『やっぱり加藤九段は個性的だなぁ』とつくづく感じました。

 これからも様々な伝説が誕生する気がします

・・・引用、おしまい。


645 名前:名無し名人 :2007/08/30(木) 20:30:27 ID:6ABaJ4m5
では 「将棋随筆名作集」(越智信義編 1998三一書房刊)より

駒の音について
(「将棋春秋 昭和32年4月号」) 一二三17歳

 将棋の駒を盤面に打つと音が出ます。さてこの駒音は打つ人によって差を生じます。また対局中の一手一手についても違います。当然な現象ですが私はこの平凡なことに興味を持たされています。
と言いますのは響きのよい駒音を聞くにつけ、その中に、ある秘かなものを見出したからです。その秘金物とは何か、これからそれについて述べます。

 一般にアマチュアの方で初段近い棋力を有している人は、十級や二十級の方と比較してすぐれた内容を持っているものです。さてその棋力と言うものはどうしてわかるのでしょう。
普通は対局してみないと解らないものです。それが実力と言うものです。しかし私は私なりの方法でしかも将棋そのものを見ないで知ります。
それは対局者の駒の打ち方を見ていて、それがどんな音を出すか観察します。もし駒音が一音でかつ澄んでいたら、その人の棋力は初段近いと言えます。
何故かと申しますと、澄んだ音を出すには駒が盤目にキッチリ入る事を条件とします。またキッチリ入れるには対局者の姿勢が盤の範囲内に入るくらい良くなくては駄目です。そして盤目に美しく駒を打てる人は相当強い人です。
従ってさきの条件を満たす様な人は入品の域に達していると言えるのです。今までに述べたことは私がアマチュアの方と手合わせして、その結果出した結論です。

646 名前:名無し名人 :2007/08/30(木) 20:31:24 ID:6ABaJ4m5
(つづき 2/2)

 これで駒音と棋力の関係は終って次に、観戦記などにしばしば現れる「○○は駒音高く○○した」と言うこの将棋と駒音の関係性について述べます。
 観戦記を読むと「駒音・・・・・・した」と言う個所が実に多く出て来ます。この場合は単なる音の描写に留まらずそれによって、形勢の良悪を暗示しているのです。
それでは何故駒音で形勢の大体が把握出来るのでしょう。それは感情を有する人間がプレイする将棋ですから、指手に感情が介入して来るのです。
そして感情は対局者が理解している大局観によって変化します。従ってそれに伴って駒音の高低も出来て来るわけです。
良くあの人は沈着無比だとか言うのを耳にしますが、それ程の人でもこうした現象からは免れません。
 感情の表現をした言葉としてはあの「銀が泣いている」が最も有名です。ほんとうに阪田名人が言ったかどうかは解りませんがそれを抜きにして、銀が泣いているとか、あるいは笑っているとかが解る様になれば強い者です。
先にどれ程の人でも沈着でいられないと言い、今駒の気持が解る様になれば強いんだと言って、はなはだ矛盾している様ですがそれは要するにこうです。
駒に自分の感情を移入するようになれば相当強いが、もう一歩強くなるにはそれを皆捨てなければならない。指手に感情を入れるのは邪道であると言うことです。
 少し固くなったかも知れませんが、後尾の文章は自分達に言ったもので、皆さんは駒音にもこんな性質があると言う事だけ解っていただければ幸いです。
 対局中の感情は、冷静でなければなりません。前述の事を思い出されることは自然に気持ちを落ち着かせるでしょう。また木村十四世名人の棋語にも「一手の最善手を案出するのに七時間考えられる人は、七時間考えるだけの知識と材料があるからだ」というのがあります。
この知識と材料には色んなものがあるでしょう。前述のことがこの一つになれば幸いです。



703 名前:名無し名人 :2007/09/06(木) 00:57:39 ID:+0SuBKMu
週刊朝日の記事から引用。

もちろん、精いっぱい健闘した後に負けるわけですから、
つらいことはつらい。しかし、勝負ごとには勝ちか負けか
二つの結果しかないわけですから、負けたときにうなだれていても
仕方がないのです。(笑い)

933 名前:名無し名人 :2007/10/12(金) 21:06:59 ID:PnPOP+NT
10日発売の「文芸春秋」にひふみんが1000敗について書いていた。
立ち読みなんでざっと
「年90日ある相撲でも最多負け数が寺尾の938だときいた」と書いてあった。
21連敗したとき奥様は心配したがゲン担ぎはしなかったこと、あの名人戦第8局の「あっ、そうか」が将棋会館中に響き渡ったと聞いたとあった。
お孫さんも4名いらっしゃるらしい。


806 名前:名無し名人 :2007/12/31(月) 01:01:05 ID:y47MmWCB
この前出た先崎エッセイ本に立会人で
旅館に行ったときのひふみんエピソードあり。

>「加藤九段の「純」」

>加藤九段の特徴として、とにかく一所懸命に喋るというのがある。
>身振り手振り、時には奇声を交えて一言一句に全身全霊をかけて喋る。
>しかももの凄い早口である。興がのると、早口言葉を喋る普通の人よりも早く喋る。

>その加藤九段が、突然「ヒョー」と叫んだ。
>「ヒョーヒョー、ヒョヒョヒョヒョヒョー」と
>連呼するやいなや、窓に向かって走り出した。

>窓の外では花火が上がっていた。ここ宇奈月温泉では、
>冬の間毎週土曜日に花火大会があるのである。
>ポーンと花火が上がる。大先生が「ウヒョー」と叫ぶ。
>「それっ」「いけっ」「あ、まただ。おっ、おっおっ、おっきいおっきい」

>純である。あまりにも純である。
>新聞社の方の為に「隅から隅まで」新聞を読み
>花火の一発一発に身を乗り出し目を輝かせて感動する。

>同席した全員で、加藤九段の奇声をBGMにして最後まで花火を鑑賞した。
>終わった、と思って席に戻った直後にまたボンと上がった。
>大先生は、脱兎のごとくまた窓に駆けだしていった。


花火を見て喜ぶひふみんが可愛い(w
68歳でこんなに素直な態度で振る舞える人って珍しいよね。